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遺言Q&A [遺言]

)先日父が病気で亡くなったのですが、遺品を整理していたところ遺言書が見つかりました。
その内容は“長男である私に全財産を譲る”というものでした。
闘病中に書いたものらしく、筆跡はたどたどしく、誤字脱字なども多いです。
弟が一人いるのですが、遺言の無効を主張しています。

A)有効な遺言を行うにはいくつかの要件を満たさなければなりません。
要件を満たさない遺言書は、残念ながら無効です。



▼遺言ができる人

満15歳に達した者は、遺言をすることができます。
未成年者が法律行為を行うには法定代理人(親や保護者など)の同意が原則必要ですが、遺言は同意を必要とせず単独で行う事が可能です。
これは、遺言が本人にとっての最後の意志であることを尊重するためです。
ただし、遺言の効力や内容の判断ができる能力は必要とされます。

例えば認知症でどのような遺言をすると、誰かがこうなる、といった判断能力が低下してしまっている時は、単独では有効な遺言を行う事が難しくなります。
15歳になってさえいればいい、というわけではないということですね。
医師が立会い、病気が回復している(判断能力がある)状態であるというお墨付きを貰えれば遺言を行える場合もあります。

▼遺言が真意に基づくものか

遺言は、遺言者の真意に基づくものでなければなりません。
他人に騙されたり、脅されて書いた遺言書は無効となります。
財産を他人に譲るわけですから、事柄の性質上、当然と言えるでしょう。

無効を主張する側は、遺言書が真意に基づくものではないという事を証明する必要があります。

▼遺言書の要件を満たしているか

遺言書を有効なものとするには、要件を満たしていなければなりません。
要件を欠く遺言書は無効です。
遺言書の方式によって異なります。

本問の場合以上を満たしていれば、遺言書は有効です。


Q)亡くなった夫の手帳からメモ書きのような遺言書が出てきました。
これは法的には有効なのでしょうか?

A)所定の方式を満たしていて、真意に基づくものであれば法的に有効です。
遺言が法的に有効であるには、遺言書としての所定の方式を備えていなければなりません。
遺言は本人の最後の意志を実現するためですが、もしトラブルになってしまった時に本人に確認をとることは、もはや不可能です。
そのため、遺言書の書式は民法上、やや厳格に定められています。
民法は自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言・危急時遺言・隔絶地遺言を認めています。
この中で一般的なのは自筆証書遺言と公正証書遺言でしょう。
詳しくは後述しますが、自筆証書遺言は文字どおり自筆にて行う遺言書です。
一方公正証書遺言は、公証人立会いのもと遺言書が作成される、というものになります。

▼自筆証書遺言の方式

自筆証書遺言は簡単に作成できて、費用も掛からず、人に知られることがない、というメリットがあります。
反面、紛失・偽造・隠匿の恐れがあり、また遺言書自体が発見されない可能性が出てきてしまいます。
さらに、書かれた内容があいまいだったり、本当に真意に基づくものなのか分かり辛かったりと、トラブルが起きてしまうことがめずらしくありません。

肝心の方式ですが、以下の通りです。
①全文手書きで行う
筆記用具や紙は何でもかまいません。
ただしワープロやパソコンで作成したものは無効です。

②日付を明記する
作成した日付を明記する必要があります。
これは遺言書が2つ3つ出てきてしまった場合、後に作られたものが有効になるためです。
日付の前後で判断するため、曖昧な日付だと無効になります。
※例.○年○月吉日などは無効です。

③署名押印
必ずしも本名でなくてもよく、ペンネームや通名でも本人と解れば問題ありません。
さらに氏、名どちらでもかまわないとされています。
押印ですが、実印の必要はなく三文判若しくは指印でも結構です。

質問の答えの続きですが、以上を備えていれば遺言書の方式としては問題ありません。
ただし、その遺言書が有効なものであるには、本人の真意に基づくものかどうかが解らなければなりません。
本当に単なる下書きや覚書の可能性もありますので。

ですが①~③を満たしている場合は本人としては本気だった可能性が非常に高いと言えます。
様々な事情を考慮した上判断する必要があるでしょう。


●父は病床で公正証書遺言による遺言を行いました。
当時父は、意識はあったものの、しっかりと喋ることもままならないほど弱っており、あらかじめ作成しておいたメモを読み上げる形で行いました。
さらに遺言の内容に関して公証人が質問し、それに対しうなずいたり、なんとか返事をするというものでした。
それでも遺言は有効でしょうか?



真意に基づくものであれば問題ありません。
有効な遺言と言えるでしょう。



公正証書遺言の方式

民法969条は公正証書遺言を作成する際の方式を定めています。
1.証人二人以上の立会いがあること。
2.遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授すること。
3.公証人が、遺言者の口述を筆記し、これを遺言者及び証人に読み聞かせ、又は閲覧させること。
4.遺言者及び証人が、筆記の正確なことを承認した後、各自これに署名し、印を押すこと。ただし、遺言者が署名することができない場合は、公証人がその事由を付記して、署名に代えることができる。
5.公証人が、その証書は前各号に掲げる方式に従って作ったものである旨を付記して、これに署名し、印を押すこと。



本問のケースですと②が問題となりそうです。
すなわちきちんと公証人に対し口授(くじゅ)を行ったかどうかです。
この点を判例は、近親者の誘導的な質問に微妙な反応だったり、公証人の質問に対し言語をもって答えることが一切なく単に肯定若しくは否定の挙動をしているとき、などは②には該当しないとしています。
しかし、あくまでも「真意がどうか」が重要です。
判例のようなケースだからといって必ずしも無効というわけではなく、そのときの状況により異なるのでしょう。



質問の答えですが、意識はあったということで遺言能力があり、②の要件も満たしているように思えます。
あらかじめ作成したメモというのも、父親が真意に基づき作成したものであれば問題ありません。
遺言は有効である可能性が高いと言えます。


●自筆証書遺言と公正証書遺言の違いはなんですか?


以下に違いがあります。



費用

自筆証書遺言のほうが安価で行えます。
公正証書遺言の場合ですと用紙代や公証人手数料が掛かります。



秘密性

公正証書遺言は性質上、どうしても公証人と立会人には内容が知られてしまいます。
もちろんこれらの者には守秘義務があります。
自筆証書遺言は一人で作成できますので、秘密性が高いです。



作成場所

自筆証書遺言はいつでもそこでも、好きなときに作成できます。
一方、公正証書遺言は文字通り公証役場で作成します。
場合によっては出張も可能ですので、一度問い合わせてみると良いでしょう。



変更

どちらの場合も、本人はいつでも書き直すことができます。
ただし公正証書遺言は公正役場まで行く必要があります。
その場合、立会人ももう一度必要です



紛失

自筆証書遺言は紛失してしまうと、内容の確認が取れないため無効となります。
その点、公正証書遺言はたとえ紛失しても問題ありません。
原本、正本、謄本の計3部が作成され、原本を公証役場で厳重に保管し、正本、謄本は本人に手渡されます。
そのため、もし紛失してしまっても、公証役場に行けば再発行が可能です。



改ざん

自筆証書遺言は改ざんされてしまうと真正かどうか、確かめる術はありません。
公正証書遺言は正本が改ざんされてしまっても、公証役場に行けば原本を元に発行してもらえますので、真正かどうか確かめる術があります。



内容実現

自筆証書遺言は書き方を間違えると無効になってしまうことがあります。
一方、公正証書遺言は公証人がチェックしてくれるため、そのような心配はないでしょう。



遺言書を発見したとき

公正証書遺言をもし見つけた場合、遺族はすぐに開けて見ることができます。
しかし自筆証書遺言は、家庭裁判所の「検認」という手続きを経なければ見てはいけません。
検認とは、裁判所が相続人全員を呼び出し、その前で遺言書を開け、遺言書の存在と内容を明確にする手続きのことです。





以上の様な違いがあります。
どちらにもメリットとデメリットがありますので、ご自身に合った方法を選択されてはいかがでしょうか。

●遺言での相続分の変更

父は母が亡くなった後再婚しました。
後妻との間に子どもはいません。
父は「後妻に遺産の3分の2を相続させる。」との遺言を残し、先日亡くなりました。
私達の相続分はどのようになりますか?



相続分は遺言で指定することが可能です。
あなた方の遺留分を侵害しない限り、遺言の通りとなります。
被相続人の子であるあなた方は残りの3分の1を分け合うことになります。



民法902条は「遺言で、共同相続人の相続分を定め、又はこれを定めることを第三者に委託することができる。
ただし、被相続人又は第三者は、遺留分に関する規定に違反することができない。」としています。



配偶者と子が相続人の場合、相続人の遺留分は全体の2分の1です。
(詳しい説明は⇒【遺留分とは】をご覧ください。)
子の相続分は2分の1ですから、子の遺留分は2分の1に2分の1を乗じた数となります。
したがって子の遺留分は4分の1ですので、設問のように3分の1の相続分がある場合、遺留分は侵害されません。



また、一部の相続人についてのみ相続分の指定があったとき、他の相続人は残りを分けることになります。
相続分の残りが3分の1で、同順位の相続人が二人なら6分の1ずつになる、というわけです。



以上の理由から、ご質問のような遺言は有効と言えるでしょう。

●父は生前ある女性と親しくしていた時期があるそうです。
ある日、その女性がやってきて遺言の執行を求めてきました。
遺言の内容は「○○不動産を××に譲る」というものです。
女性の存在は家族も知っていましたが、父は相当の金銭を与えて手を切ったと聞かされていました。
私達はこの求めに応じなければならないのでしょうか?



お父様が遺贈をやめるつもりで金銭を贈与したのであれば遺言は無効です。



遺言は本人の最後の意思を実現するための制度ですので、遺言者が遺言をやめることや遺言を変更することは、本人の意思に委ねられるべきです。
ですので遺言は、いつでも、特別な理由なく、取り消すことができます。



遺言を取り消す方法、または取り消したとみなされる場合ですが、民法上以下の3つが定められています。



①民法1022条 遺言者は、いつでも、遺言の方式に従って、その遺言の全部又は一部を撤回することができる。
「遺言の方式に従って」とは、遺言の撤回は遺言で行ってください、ということです。
つまり遺言書の形式については同じである必要はないため、公正証書遺言を自筆証書遺言で撤回することも可能です。
ただしこれは、後の遺言書が有効でなければなりません。



②民法1023条 前の遺言が後の遺言と抵触するときは、その抵触する部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなす。
抵触とは、矛盾しているという意味に近いと思います。
はじめの遺言で配偶者に全財産を譲るとしておきながら、後の遺言で子に全財産を譲る、としているような場合です。
この場合はじめの遺言は撤回されたとみなされ、後の遺言の方が優先されます。



③民法1024条 遺言者が故意に遺言書を破棄したときは、その破棄した部分については、遺言を撤回したものとみなす。遺言者が故意に遺贈の目的物を破棄したときも、同様とする。
「故意に」とありますので過失の場合は含まれませんが、自筆証書遺言などは紛失してしまうと意味がなくなってしまいますので、もう一度作成するのが望ましいでしょう。



本問のケースですが、遺贈に代えて金銭を贈与するつもりだったと解釈するのが自然の様な気がします。
すなわち、はじめの遺言と後の遺言が抵触する②に該当する可能性が高いと言えます。

●父の遺言書について家庭裁判所の検認を受けました。
しかしこの遺言書は、父の死後、母と姉が相談して父の印を押したものであることがわかりました。
遺言は有効でしょうか?
また、母と姉の相続分はどうなりますか?



遺言は無効です。
相続分が剥奪されるかどうかは手を加えた理由により異なります。



他人の遺言書を偽造したり手を加えたりすると相続人となる資格を失うばかりでなく、刑罰の対象ともなります。
※刑法159条 私文書偽造等の罪
民法は「相続に関する被相続人の遺言書を偽造・変造したり、破棄・隠匿した者。」は相続人となることができない、としています。
偽造された遺言書はもちろん無効ですし、真正な遺言書に他人が書き加えた場合は、その書き込んだ部分について無効となります。



素直に解釈すると、設問の母と姉は遺言書を「変造」しているわけですから、相続権は奪われるということにもなりそうです。
この点を判例はこのように述べています。
「相続人が遺言者たる被相続人の意思を実現させるためにその法形式を整える趣旨で右の行為(方式を具備させる行為)をしたにすぎないときには、
右相続人は同号(民法891条5号)所定の相続欠格者にはあたらない。」[最判昭和56・4・3]



つまり「自分の相続分を多くしてやろう」ではなく、単に「よかれと思ってやった。」場合は相続権を奪われない余地があるということです。
日付が抜けていたり、印を欠いている場合についつい書き加えてしまった時などですね。



ご質問の場合ですと、印を押した理由が死んだ被相続人の意思を実現させるためのものであるのか、それとも自分のためであったのかで大きく異なるでしょう。
前者の理由から手を加えたのであれば、相続欠格者にはあたらない可能性があります。

●父が遺言書を残し、先日他界いたしました。
相続人である母と兄弟で協議を行ったのですが、遺言書通りに分割しない方がいいという結果になりました。
遺言書通りに分割しないといけないのでしょうか?



遺言の内容が第三者に関係のない遺言であれば、相続人全員の同意によって遺言書と違う分割も可能です。



遺言の内容には、相続分を指定するものや分割の方法を指定するもの、第三者に分割を委託しているもの、遺産を遺贈するものなど、さまざまあります。



相続分の指定とは、例えば法定相続分が2分の1の配偶者の相続分を3分の2にしたり、3分の1にする、といったような内容です。
分割方法の指定とは「預金は妻に、事業は長男、家は長女に相続させる」というような内容のものです。



第三者への遺贈や第三者への分割方法の指定の委託がなく、遺言の内容がすべて相続人に関する事柄だけの場合、相続人全員の合意によって遺言内容と異なる遺産分割が可能です。
ただし、遺言の内容が第三者の権利を害する場合、その部分については遺言の内容を変更することはできません。
すなわち遺贈を受けた第三者が遺贈を放棄したり、分割方法を委託された第三者がそれを辞退したりして、第三者が関与しなくなった場合でないと合意による変更は行えません

●私には障害を持つ、子がおります。
夫は既に他界しており、私以外に身寄りはいません。
もし私が死んでしまった場合に、子の生活を保証するにはどのような方法が考えられますか?



障害を持つ子や幼い子がいる場合、財産をきちんと管理してくれる人に預かってもらうのが一番です。
もしそのような人がいないのであれば、財産を信託する方法を考えてみるべきでしょう。
財産の信託の設定は、遺言によって行う事も可能であり、この方法なら一生涯安定した生活を維持する事が可能となります。



信託とは一定の期限を定めて財産の管理・運用を信託銀行などに委託することをいいます。
信託による収益金を子が生活資金として受け取れるように、遺言で信託の設定をしておけば、遺言者が亡くなった場合でも子の生活が保証できます。



期限を設定した場合は、期限終了に伴って信託財産は遺言で設定した貴族権利者に戻されます。
一生涯の生活の安定を望む場合、期間を「子の生存中」に設定するとよいでしょう。
信託の手続きは複雑なため、専門知識のある遺言執行者を指定しておく事が望ましいです。

●私には認知症の妻がおります。
妻は私以外に身内がおりませんので、私が死んだ時に頼る人がいなくなってしまいます。
遺言で何か対策できることはありませんか?



ご質問いただきましたケースの場合、誰かに奥様の世話を託しておく事が望ましいでしょう。
財産を譲る代わりに妻の世話をしてもらう「負担付贈与」か、法定後見人制度を利用し「成年後見人」の選任を遺言しておく必要があります。



負担付贈与は契約であるため、もし財産を譲り受けた人がきちんと義務を履行しない場合、契約を解除する事ができます。
つまり、奥様の世話をするという条件で財産をあげたのに、世話を怠った場合、財産を取り戻す事が可能です。
ですが認知症を患う方の場合、状況がよくわからず、いいように丸め込まれてしまう危険性があります。



一方法定後見人制度ですが、これは認知症などで判断能力の低下した人を成年後見人が保護・支援する制度です。
療養介護サービスの契約や財産管理など、法律行為の代理を行うことが任務とされており、弁護士、司法書士、社会福祉士などの専門職の第三者が選任されます。
法定後見人制度の成年後見人は勝手に決めることができず、申し立てを受けて家庭裁判所が選任します。
また、法定後見人への報酬は法律で定められており、後から報酬を多く請求されることもありません。

●私が死んだら全財産を孫に譲りたいと考えております。
法定相続人以外は相続できないと聞きましたが本当でしょうか?
孫に財産を残すことはできませんか?



遺言者に妻や子がいる場合、法定相続の第2順位である親、第3順位である兄弟姉妹、若しくはお孫さんなどは原則として相続人となりません。
ただし、もしお孫さんの親が既に亡くなっている場合、お孫さんは親の代わりに相続人となります。
これを代襲相続といいますが、全財産を相続させたい場合に適している制度ではありません。



そのため、もし相続権のない人に財産を譲りたい場合には遺言で財産を譲る旨の意思を遺す必要があります。
これを「遺贈」といい、相続とは区別されますが、効果は相続とほぼ同じと考えてよいでしょう。
なお、遺贈は放棄することもでき、他の相続人がいる場合は相続人と同様に扱われます。



遺贈は遺言によっておこなう必要がありますが、その場合はっきりを「遺贈する」と書いてください。
単に「あげる」だけだと相続なのか、贈与なのか、遺贈なのかがわからないからです。



さらに、遺贈理由の付言と遺留分への配慮も大切です。
本来もらえるはずだった人の相続分が無くなってしまうわけですから、お孫さんとその人達の間に確執が生まれてしまう危険性があります。
そこで、きちんと理解が得られるように、遺贈の理由を明らかにしておきましょう。



また、お孫さんに全財産を譲りたいとの事でしたが、他の相続人がいた場合「遺留分」が発生しますので注意しましょう。
できれば、遺留分を侵害しない範囲で遺贈を行うことが望ましいですが、もし侵害する場合はきちんと理解を得て行うようにしてください。

●先日父が亡くなりました。
遺言書が見つかりましたので家庭裁判所での検認を受け、相続人全員が立ち会いの元開封したのですが、その内容の一部に“死亡保険金の受取人を長女である私に変更する”とありました。
もともとの受取人は長男である兄でしたが、父の世話を見ることもなく、かつ他の財産を与えているという理由から私に変更したようです。
兄は遺言書は無効だ、と主張していますがこの遺言に効力はありますか?



遺言でも死亡保険金の受取人を変更する事が可能ですが、法律上有効な遺言である事が要件です。



平成22年4月に保険法が施行され、保険契約者は遺言で死亡保険金の受取人を変更することができるようになりました。
例えばご質問のケースのように、契約時は受取人を長男にしていた場合でも、後に契約者が遺言書に長女に受取人を変更しておけば、契約者の死後に死亡保険金を受け取るのは長男ではなく長女となります。
ただし、保険金受取人を変更するためには、遺言書が法律上有効であることが要件です。



また、遺言で保険金受取人の変更があった場合、保険会社としては連絡がないと新しい受取人を知ることができません。
保険金受取人の変更手続きをしていない状態で従来の受取人が保険金の請求をすると、保険会社は受取人の変更を把握できずに、そのまま従来の受取人に保険金を支払ってしまいます。
そのため、遺言で保険金受取人の変更があった場合、相続人が保険会社に連絡をして、受取人の変更手続きを取らなければなりません。
保険法では「遺言による保険金受取人の変更は、その遺言が効力を生じた後、保険契約者の相続人がその旨を保険者に通知しなければ、これをもって保険者に対抗することができない。 」としています。



遺言による受取人変更の手続きに必要な書類は、保険会社所定の請求書、被保険者・新受取人の印鑑証明書、遺言書の写しなどです。
●たいした財産があるわけでもないので、特に遺言書を作成することもないと考えていましたが、先日知人に、遺言書は作っておいた方が良いと言われました。莫大な財産があるならともかく、一般的な生活をしている自分にとって、遺言書を作成する必要があるのでしょうか?


まず初めに遺言書は、遺産の相続に関することを相続人である家族に伝えるものですが、それだけではなく、残された家族へ感謝の気持ちを伝え、今後のことを託すためのものでもあります。
自分がいなくなった後、子供たちは自分の伴侶を支え、自分の伴侶は子供たちを慈しんで育てていき、残された家族が、仲良く幸せに暮らしていけるように、無駄な争いごとをしないで済むようにするための大きな手助けとなるのです。
また、子供たちがすでに結婚しており、それぞれの家族を持っていて、しかもあまり仲が良くない関係である場合には、遺産分割協議が順調に進まない可能性がおおきく、さらに兄弟仲が悪くなる恐れがあります。
遺言書に遺産分割について記述し、付言として、兄弟が仲良く暮らしていくようにという内容を最後のメッセージとして遺しておくとよいでしょう。
家族で、農業や個人事業をしていて、子供たちのうちの誰かに、家業を継がせたい場合には、家業を引き継ぐことになっている相続人には、農地や事業用の土地、建物を残し、他の相続人にはそれ以外の財産を公平に分割するように指定することもできます。
相続人の中に障害者がいる場合には、未成年後見人を指定し、その子供が、健常者である他の相続人より、多くの遺産を相続できるようにすることもできます。
自分の血のつながった子ではなくても、自分の介護を親身になって続けてくれた法的には相続の権利がない息子の嫁に遺産を遺すこともできます。
子供が無く、夫婦2人だけの場合には、遺言書が遺されていないと、配偶者以外に、自分の兄弟姉妹や、親に遺産を分割することになり、配偶者にすべての遺産を遺すことができなくなってしまいますので、配偶者にすべての財産を遺したい場合には、遺書を作成しておく必要があります。

●遺言書は、いつごろ作成するべきでしょうか?また、遺言書の作成後、内容を変更することはできますか?


遺言書は、15歳以上であれば、いつでも作成することができます。病気になってから、事故になってから、死期が近づいてから作成するというものではありません。元気でしっかりとした判断能力があるうちに作成しておくとよいでしょう。そして、自分を取り巻く環境、生活状況や経済状況などの変化により、作成した遺言書が、現状にそぐわないような内容になってしまった場合や、自分の気持ちの変化があった場合には、書き直すことができます。自筆遺言書の場合、作成した遺言書を修正するより、以前の遺言書を破棄し、新たに作成する方が手間を省くことができ、書式の不備も避けることができます。また、破棄するのを忘れてしまった場合でも、新しい日付の遺言書の内容が法的効力を持ちますので、心配ありません。ただしこの自筆遺言書は、簡単に作成でき、秘密も守れますが、自分で保管しなくてはならない為、紛失したり、他者によって改ざんされたりする恐れがあることや、自分の死後、家族が遺言書を発見できないという事態になることもあります。それを考えると、手間と費用がかかりますが、公証人役場で、公正証書遺言を作成しておく方が、確実な方法といえるでしょう。公正証書遺言は、公正証書役場で、遺言者が口述した内容を証人の一人が文字に書き起こし、もう一人の証人と遺言者がその内容に間違いのないことを確認した後、作成される遺言書で、作成された遺言書の原本は、公証役場が保管します。その為、遺言書の書式の間違いなどがおこらず、遺言書として必ず機能しますし、紛失や他者による改ざんの恐れがありません。また、遺言者の死後、家庭裁判所による検認の手続きもいらないので、相続人の手間が省けます。公証人役場で、作成した遺言書の内容を変更したい場合には、再度、公証人役場に行き、2人以上の証人に立会ってもらって、遺言書の内容を変更します。
●私たち夫婦には、2人の子供がおり、二人とも成人しています。姉は、大学を出た後も、研究室に残った為、就職するまでには相当な学費がかかりましたが、現在は、高給のもらえる会社に就職し、安定した生活を送っています。一方、弟の方は、高卒で、それほど多くない給料の中でやりくりしています。私たち夫婦としては、家が建つほどの学費がかかった姉と高卒の弟が同じ遺産分割では不公平な気がするのですが、弟の方に遺産を相続させることはできますか?


相続人に対しては、その権利を守るために遺留分という相続財産がありますので、ご夫婦のうち、どちらかが亡くなった場合には、遺産の半分を配偶者が、残りの半分を子供が公平に分割するということになります。けれども、それ以外の分割方法で遺産を相続させたい場合には、遺言書を作成し、遺留分に対する対策をしておく必要があります。生前贈与を受けた相続人のことを特別受益者といいますが、遺言が無い場合で、学費が特別受益であると認められた場合には、特別受益者が生前贈与された金額を、残された遺産に加算したうえで、分割され、特別受益者が生前贈与された金額を控除した金額が特別受益者に、分割した金額が、もう一人の相続人に遺されます。また、学費が、学費を支払った当時の家族の経済状況や社会的地位から検討した結果、特別受益ではなく、扶養義務の範囲内であると判断される場合もあります。その場合には、遺産は均等に分割されます。その為、遺言書に、学費が生前贈与であった為、相続分はないとする内容を記述しておく必要があるのです。この場合、残された配偶者も亡くなった際には、どのように遺産を分割するかという予備的遺言も記述しておく方がよいでしょう。

●公正証書遺言を作成するには、2人以上の証人が必要で、自筆遺言書と比べると、費用も手間もかかりますが、法的な効力のある遺言書です。そして、公正証書遺言は、法務大臣が任命した法曹資格を持った公務員が執務している公証役場で作成されます。公証役場というのは、市区町村にある役所と混同されがちですが、市区町村の役所ではありません。公証人が開設した事務所のことを公証役場といい、遺言公正証書だけではなく、任意後見契約、金銭消費貸借契約、土地建物賃貸借契約、事実実験公正証書などの作成を行います。公証役場で公正証書遺言書を作成する場合、公証人が遺言者の希望を聞き、その内容に合わせて公正証書遺言を作成しますが、公務員という立場上、その遺言内容に対するアドバイスはできないことになっています。その為、万が一、遺言の内容が確実に実現できないような恐れのある物であったとしても、そのまま作成されてしまいます。そういった事態を避けるためには、公証役場に出向く前に、遺言書の作成に対して、専門的な知識のある弁護士、司法書士、行政書士などのアドバイスを受け、遺言書の原案原稿を作っておくことが賢明な方法といえます。遺言書の原案原稿ができたら、次は証人になってくれる人を探さなくてはなりません。公正証書遺言を作成するには、2人以上の証人が必要だからです。この証人には、推定相続人以外の成人であれば、誰でもなることができますが、遺言の内容を相続人に知られたくない場合には、親戚や知人に頼まず、法律に対する専門的な知識のある弁護士、司法書士、行政書士などに依頼するべきです。遺言書の原案原稿へのアドバイス、公正役場で公正証書遺言を作成する際の証人を依頼すると、それぞれ、5千円~1万円費用がかかりますが、もし内容が良い結果を生むようなものでなく、後日作り直しをすると、再度公正役場での費用も掛かってしまいます。遺言公正証書の作成手数料は、財産の価額より目的価額を算出して手数料が決まります。具体的には、1億円の財産を一人の相続人に受け取らせる遺言書の場合には、4万円で、遺言者のもとに公証人が出張して遺言書を作成した場合には、基本手数料が手数料額の1.5倍になり、その他に1日2万円、4時間まで1万円の日当と交通費が加算されます。
●私たち夫婦には子供がいません。お互いが亡くなった後に、残された方がすべて相続できるようにするためには、どのような方法がありますか?


自分の遺産は全て配偶者に相続させるという内容の遺言を、夫婦のそれぞれが作成する夫婦相互遺言を作成するという方法があります。遺言書が無かった場合、法的には子供のいない夫婦のうち、どちらかが亡くなった場合、遺産の4分の3を配偶者、残りの4分の1を亡くなった人の兄弟姉妹、兄弟姉妹がいない場合には、その親、兄弟姉妹、親も亡くなっている場合には、兄弟姉妹の子供に分割することになっています。従って、配偶者が亡くなった後に、配偶者の兄弟姉妹や親と遺産分割協議をし、全員が合意しないと、銀行の預貯金さえも引出せないことになります。さらに、マイホームなどを購入したばかりで、預貯金の中から、4分の1の遺産額を捻出できない場合には、マイホームを売却して、亡くなった配偶者の兄弟姉妹に遺産を分割しなくてはならないことにならないとも限りません。そのようなことを避けるためには、夫婦相互遺言を作成しておくこが賢明な方法です。遺言書の中で、お互いを遺言書の内容を実行に移すことのできる遺言執行者として指定しておくことで、配偶者の兄弟姉妹の合意が無くても、銀行の預貯金を引き出したり、名義変更をしたりすることができますし、マイホームを売却して、遺産を分割するというような事態も避けることができます。そして、残された配偶者にすべての遺産を相続させるということの他に、残された配偶者も亡くなった場合には、兄弟姉妹のうちの誰に遺産を相続させるかということも予備的遺言として書き入れておくと、配偶者のどちらかが亡くなった際に、遺言書を再度作成する必要がなくなります。夫婦相互遺言は、3日月以内の印鑑登録証明書、夫、妻それぞれ1通、夫婦の戸籍謄本 1通、不動産の登記事項証明書、固定資産の納税通知書、夫婦それぞれの預貯金や株等の金融資産の額を用意して、証人2人のもとで、公証役場において作成してもらいます。
●父が先日他界しました。
葬式の費用は誰の負担になりますか?
父に遺産はほとんどありません。



亡くなった方の財産で支払いますが、足りない分は遺族の負担となります。



葬式費用は相続税の控除の対象となりますが、誰が負担すべきかという事を定めた法律はありませんし、習慣もさまざまです。
そのため葬式費用負担者については意見がわかれており、葬儀主宰者が負担すべきという意見もあれば、相続人が負担すべきという意見や、習慣に従うべき、などたくさんの意見があります。
できれば関係者での話し合いで解決するのが望ましいですが、残念ながらトラブルになるケースも少なくありません。



法的には費用を支払った人が、他の人に対し求償したり、遺産分割の際にどのように扱われるのかが問題となります。
まず、財産や香典や葬祭料を葬式費用にあて、それでもなお不足する分については費用負担者を決めなければなりません。



負担の範囲や程度は、習慣、死者の希望や死者との関係など、さまざまな事情を考慮して判断することになるでしょう。
基準としては不明確ともいえますが、一概に誰が支払わなければならないと割り切るよりもトラブルは少ないといえます。



葬式費用の範囲ですが、このような判例があります。
「葬式費用とは、死者をとむらうのに直接必要な儀式費用をいうものと解するのが相当であるから、これには、棺柩その他葬具・葬式場設営・読経・火葬の費用、人夫の給料、墓地の代価、墓標の費用等が含まれるのみであつて、法要等の法事、石碑建立等の費用は、これに含まれない~。~寿司、料理、酒、ジユース、菓子等の各飲食代金及び~四九日法要、納骨代、葬儀後見舞客食費~葬式費用には含まれない。」



この判例を基準に葬式費用を算定していきます。
通夜や告別式の費用、香典返しや埋葬料、などは葬式費用と考えてよいでしょう。
しかし、墓地の代価は葬式費用に含まれないとした判例もあれば、墓石の設置費用を葬式費用に含めた判例もあるため、この辺りの費用は一概にどちらとは言い切れません。
●私には離婚経験があります。
現在は再婚し、子もおります。
もし私が死んだ場合、別れた配偶者やその子に相続分は発生しますか?



別れた配偶者に相続分はありませんが、その配偶者との子には相続分があります。



離婚の効果として姻族関係の終了(民法728条1項)があげられます。
さらに姻族関係が終了すると扶養の権利や義務が消滅します。(民法877条)
ですが、たとえ夫婦が離婚しても法律上、親子関係には影響をあたえません。



つまり子の親権者がどちらであろうと、どちらが扶養していようと、両親のどちらかが死亡した場合には子供に相続分が発生することになります。
その相続分は離婚によって影響を与えることはありませんので、あなたが亡くなった場合は2分の1が現在の配偶者、残りの2分の1を2人のお子様で分けることになるでしょう。



現在の配偶者と子に多く残したいのであれば遺言にて相続分の指定を行うといった方法がありますが、遺留分を侵害することはできません。
しかし、もし前の配偶者との子に激しい虐待を受けていた、暴力を受けた、などの特段の事情がある場合は相続欠格、廃除の対象となる可能性があります。※詳しくは別ページ参照



一方、離婚に伴って、元の配偶者には相続権はなくなります。
たとえ子供を扶養していても、元配偶者はその財産を相続することはできません。

●先日妻が亡くなりました。
死んだ妻には前夫がおり、その前夫との間には子供が1人います。
妻の死後、その前夫が現れ死亡保険金の支払いを要求されました。
私は求めに応じなければならないのでしょうか?



まずは受取人を確認しましょう。
保険金の受取人があなたでしたら、保険金は相続財産に含まれません。
しかし、もし受取人が亡くなった奥様本人であった場合その保険金は相続財産をなります。
前夫には相続分がありませんが、お子様には相続分があります。
あなたと亡くなった奥様との間にお子様がいらっしゃらない場合、前夫とのお子様と2分の1づつ分ける形になります。



また保険金は特別受益にあたるか、という問題があります。
特別受益とは被相続人(死んだ人)が生前に、相続人に対し、物やお金を贈与した場合に、その分を相続財産から差し引く、という制度です。
例えば、2000万円の財産を相続人3人(Aさん,Bさん,Cさんとします)で分けるとしましょう。
この中の一人(Aさんとします)がもし生前に1000万円の現金すでに受け取っていた場合、均等に分けるのはなんだか不公平ですよね。
ですのでその贈与された1000万円を相続財産に加え、分配することとなります。
贈与された金額を加えると計3000万円ですので、相続分は一人1000万円です。
Aさんはすでに1000万円貰っていますので、手元にある残りの2000万円はBさんとCさんが1000万円ずつになる、というわけですね。



この特別受益に、保険金は含まれるのでしょうか。
含まれるのであれば、この保険金も相続財産に加え相続分が決まるということになります。



この点を判例は「原則として特別受益にはあたらない。」としています。(最判平成16年10月29日)



ただし、例外的に特別受益にあたるケースの判例も出ています。
その大きな要素は遺産と保険金のバランスにあります。



特別受益には含まれない、とした場合は遺産が約6963万円だったのに対し保険金は約428万円でした。
一方、特別受益に含まれる、とした場合は遺産が約1億円で保険金も約1億円でした。



つまり、保険金と遺産の割合が不釣合いな場合、例外的に特別受益にあたるということです。



ご質問いただきました様なケースでしたら、受取人の確認と保険金の額をまず確認してみることをおすすめいたします。
●父は死ぬ前に、土地を売る契約を進めていたようです。
父の死後、買主を称する人が現れ、土地の登記と引渡しを要求されました。
私はこの求めに応じなければならないでしょうか?


契約が成立しているのであれば、応じなければなりません。


民法896条は「相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。但し、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。」としています。


つまり「契約上の地位」も相続すると考えられます。
お父様は生前行った契約により、買主に対し登記及び土地を引き渡す義務がありました。
その契約を履行しないまま亡くなったのであれば、その義務が相続されますし、反面権利も行使しないまま亡くなった場合はその権利も相続されます。
例えばお父様が逆に買主であった場合、売主に対して引渡しを求めることが可能というわけです。


また、売買契約以外ではどうなるのでしょうか。
贈与契約や賃貸借契約であれば売買契約とほぼ同じで、その権利義務も相続されます。
一方、労務やその人にしかできないこと(例えば似顔絵を書いて貰う)などは債務者の死亡によって終了し、相続の対象とはなりません。


ご質問の件ですが、以上の理由から契約が成立している場合は求めに応じる必要があるといえます。
相手方との契約が本当に存在するのかを確かめるため、契約書などを確認させて貰いましょう。
●私の父は外国人なのですが、先日日本で死亡しました。
相続はどのようにして行えばよいのでしょうか?
日本の法律に基づいて手続きしても大丈夫ですか?


あなたのお父様の相続については、亡くなったお父様の国の法律により手続きを行う必要があります。
相続人の関係でも、お父様の本国法に従います。
法適用通則36条は「相続は、被相続人の本国法による。」としています。
しかし、同法41条は「当事者の本国法によるべき場合において、その国の法に従えば日本法によるべきときは、日本法による。」ともあります。
これは被相続人の本国法に、その国の法(この場合ですと日本の法律)に従ってくださいというものがあった場合は日本の法律に従って手続きをおこなえるということです。

さらに、42条で「外国法によるべき場合において、その規定の適用が公の秩序又は善良の風俗に反するときは、これを適用しない。」とあります。
発展途上国でまだ法整備が進んでいない国や内容があまりにもひどい場合は、日本の法律を使う、ということですね。


つまり必ずしも被相続人の本国法に従うわけではない、というわけです。

また管轄裁判所ですが、当事者の住所のある国の裁判所が、その相続事件を扱うことやその国の裁判手続法で裁判をすることが国際的に認められています。
したがって、遺産分割については、家庭裁判所で行われることになります。

まずはお父様の本国法を確認してみると良いでしょう。
●私達は婚姻関係のない事実婚でしたが、先頃内縁の夫が急死しました。
夫には身内が私しかおらず、相続人もおりません。
この場合夫の遺産はどうなりますか?

通常、被相続人に相続人が一人もいなかった場合、遺産は国に属します。
しかし民法では、生活を共にしていた内縁の妻、事実上の養子、被相続人の養生看護に尽くした人などは“特別縁故者”として被相続人の財産を受け取ることができる、としています。

特別縁故者に当たるには以下の要件を満たす必要があります。
① 相続人不存在であること。
② 特別縁故者から請求の申し立てをしなければならない。
③ 家庭裁判所が特別縁故者かどうか判断する。

そして特別縁故者が財産を受け取るには、まず債権者や受遺者といった利害関係人などの申し立てにより家庭裁判所が相続財産管理人を選任し、相続人検索を兼ねた2回の公告をします。
相続人が現れなければ、債権者や受遺者への支払いが行われ、3回目の公告でも相続人が現れなければ、相続人の不在が確定します。
特別縁故者は、その後3ヵ月以内に家庭裁判所に申し立てを行い、認められれば財産を受け取る事ができます。



逆にいってしまえば、もし一人でも相続人が名乗り出た場合は特別縁故者に当たらず、遺産を受け取ることはできません。
そのような場合、不当利得返還請求を行い、財産分与を請求するという方法も考えられます。
●最愛の方がなくなったとき・・・

やらなければならないことの連続です。
しかし相続関係の手続きは生前でも行っておくことが可能です。

このたったひとつの手続きが、
どれだけ残されたご家族のためになるのか言うまでもありません。
ご家族を守るため、やれることは是非やっておきましょう。


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遺言一口メモ [遺言]

遺言一口メモ
家族が安心できるのは「公正証書遺言」


家族のもめごとを避け、相続をスムーズに進めるために有効なのが「遺言」です。

特に、財産を法定相続分通り分けるのが難しい時や、介護した人等
 
並びに特定の人に財産分けで配慮したい時等にも遺言が効果を発揮します。

もちろん、子供がいない夫婦の場合も、お互いに遺言を書いておくことが必要です。

ただ、本当にもめごとを避けるなら、法的に有効で、しっかりした遺言でなければなりません。

法的な遺言には様々な種類がありますが、一般的なのは「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」の2種類です。

1)自筆証書遺言は、文字どおり、自分で書く遺言です。

 手軽に書くことができて、費用もほとんどかかりません。

 問題としては、相続が起きた後に開封せずに家庭裁判所に持っていかなければならない点です。

 更に検認の手続きも必要で、家族にとっては面倒で時間もかかります。

 また、法的な形式に合っていないと遺言が無効になる場合もあるので注意が必要です。

2)公正証書遺言は、公証人に書いてもらう遺言のことで、証人に立ち会ってもらう必要もあり、

 多少の手間と費用がかかるのが短所といえます。

 しかし、検認の必要はなく、内容が明確で紛失する可能性もないので、家族にとっては安心です。

 こうしたことを考えれば、トラブルを避けるには公正証書遺言の方が望ましいといえるでしょう。

 遺言には、財産の配分だけでなく、そのように分けた理由や、

 家族全員への感謝の気持等を「付言事項」として書くこともできます。

 付言事項に法的な効力はありませんが、こうした言葉があれば、
 
 遺された家族は納得して気持ちよく相続することができるでしょう。

 ある意味で、これが遺言の最も重要なポイントといえるかもしれません。



 遺言は、暗く冷たいものではなく、家族への愛情を伝えて温かく幸せにするものなのです。

 ◆「相続」「遺言」を親と話し合う方法は

  それどころか、相続に関する話をするのも難しいのが普通でしょう。

  まずは家族でコミュニケーションを密にすることから始めましょう。

  そして、次のようなタイミングで一度は親と、

  できれば家族全員で、相続について話し合ってみましょう。

  1.・親から生前贈与を受けるとき

  2.・家族の誰かが親と同居を始めるとき

  3.・親に介護が必要になったとき

  4.・親からお金の運用を相談されたとき

  5.・高齢者を狙った詐欺事件が起きたとき

  6.・身近な人の相続争いの話題が出たとき

まずは、みんなで家族の思い出を話し合うのが第一歩です。

そして次に、家族全員の現在の状況を話し合いましょう。

その後で、親は今後どのように暮らしていきたいか、将来のことを話し合いましょう。

こうしたことについて、家族が共通認識を持つことが円満な相続にもつながります。

話し合った内容を書面に残すのが次の段階です。

市販されている「エンディングノート」といったものを利用するのもいいでしょう。

書面があれば、それだけでも相続の時に役に立ちます。

そして、遺言をスムーズに書くこともできるはずです。

◆こんな人は相続対策を考えよう! 

  □親が60歳以上

□親に配偶者がいない

□親の体力・気力が落ちたと感じている

□兄弟姉妹が2人以上いる

□親と同居している兄弟姉妹がいる

□海外に住むなど連絡のつきにくい家族がいる

□親から生前贈与を受けた額に大きな差がある

□親の財産の内容がわかりにくい

□再婚など家族関係が複雑

□自分に子どもがいない

□家族で相続について話し合ったことがない


※以上のことがイマイチ理解できなかった。もっと詳しく知りたい場合には

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公正証書遺言 [遺言]

遺言の方式の1つ「公正証書遺言」についてです。



公正証書遺言とは、公証人により遺言書を作成、保管してもらう遺言の方式です。

公正証書遺言は法律の専門家である公証人が作りますので方式具備で無効になることはまず考えられませんし、保管も公証役場でしてくれるので偽造の心配もありませんので、遺言の方式の中で最も安全確実なものと言えます。


従って、前回伝えました自筆証書遺言(『自筆証書遺言』)のように亡くなられた後に、
家庭裁判所の検認を受ける必要はありません。

公正証書遺言の作成方法

1.遺言の内容を決める

2.必要書類を準備する

(必要書類:①遺言者の印鑑証明書②遺言者と相続人の関係がわかる戸籍謄本等③相続人以外の者に遺贈する場合は遺贈を受ける者の住民票④相続財産に不動産がある場合はその不動産の登記事項証明書と評価証明書)

3.公証人と前もっての打合せ

4.証人2人と共に公証役場に行って公正証書遺言を作成してもらう(上記2の書類と遺言者の実印が必要)



公正証書遺言をするためには公証人に手数料を支払う必要があるのと、

2人の証人が立ち会わなければなりません。

(立会うときに証人の印鑑と免許証又は住民票が必要になります)

※下記の人は証人にはなれません。

・未成年者

・推定相続人、推定相続人の配偶者及び直系血族

・遺贈を受ける人(=受遺者)、受遺者の配偶者及び直系血族

・公証人の配偶者及び4親等内の親族、公証人の書記及び使用人



因みに遺言者の健康状態等により、公証役場に行くことが難しい場合は公証人が病院や自宅に出張してくれます(出張料が必要です)



公正証書遺言を作成してもらうと原本は公証役場が保管し、正本と謄本を遺言者に交付してくれます。

亡くなられた方が公正証書遺言が作成されているかどうかを亡くなられた方と利害関係にある方(相続人等)は、亡くなられた事実と亡くなられた方との関係を証明する戸籍謄本等と免許証などを持っていけば全国の公証役場で検索することもできます。

自筆証書遺言 [遺言]

今回は遺言の方式の1つ「自筆証書遺言」についてです。

自筆証書遺言は遺言書の全文を自分で書く方法です。

自分で書くので手軽ですがその書き方は民法で厳格に定められており

民法に従っていない自筆証書遺言は無効となります。



自筆証書遺言の作成方法

1.自筆証書遺言は内容、日付、署名全て自筆で作成する必要があります。

  パソコンで書いたり、話したことを代筆してもらうことはできません。

2.日付の記載が必要です。

  西暦でも和暦でもかまいませんが日付が特定されていることが必要で

  「平成25年10月吉日」のような記載は不可です。

3.遺言者の署名・押印が必要です。

  押印は認印でもOKです。



また自筆証書遺言を作成したあとに訂正する場合も方式が決められているので、注意が必要になります。
訂正方法を間違うと全体が無効になることもありえるので、できれば全文を書き直した方がいいと思います。



保管方法については、特に決まりはないのですが封筒にいれて遺言書とわかるように保管されるのがいいと思います。



また、遺言された方が亡くなられたあと、自筆証書遺言を発見されたときには、自筆証書遺言を家庭裁判所に提出して検認申立をして裁判所の検認という手続きを受ける必要があります。


もしも検認を受けないで遺言を執行したり、封印のある遺言書を裁判所以外で開封した場合は5万円以下の過料に処せられますのでご注意ください。




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